文化財の保存と活用

丹青研究所は、文化財保存環境づくりのエキスパートです。

文化財は、わが国の文化・伝統の精華であり、失われては二度と戻らない重要なものです。 文化財が未来に渡って確実に継承されるよう、個々の文化財の特性や状況をふまえ、豊富な実績と経験、最新の保存科学による知見、お客様との対話をもとに、基礎調査から構想計画、設計・監理まで、文化財の最適な環境づくりをサポートします。

文化財保存環境づくりの
全てのプロセスをサポート

丹青研究所の文化財保存環境づくりの特徴

高度な専門性を要する文化財保存環境整備にかかる業務をワンストップで対応。

丹青研究所は、文化財保存環境づくりを総合的かつ専門に取り組む唯一の調査・設計事務所です。

一般的な施設整備において調査から計画、設計で専門業者が変わることは往々にしてありますが、高度な専門性と秘匿性を要する文化財環境整備では各ステップの専門情報の引継ぎと情報管理の面において必ずしも望ましいとは言えず、発注者の負担も少なくありません。文化財の保存環境整備にかかるコンサルティング、基礎調査、企画・構想・計画、設計・監理、管理運用へのアドバイス等の各種業務をワンストップでトータルにお手伝いすることにより、文化財にとって安全でかつお客様にとって負担の少ない事業推進を実現します。

最適な保存環境は、正確な現状把握から。

望ましい保存環境を実現するためには、収蔵環境や資料特性等の正確な現状把握が不可欠です。精度の高い現状把握を行うことにより初めて、最適な規模と環境の検討・設定が可能となります。残念ながらこうした基礎調査が行われないまま設計され、所蔵する文化財にふさわしい収蔵環境を実現できていない収蔵庫も見受けられます。丹青研究所では、「最適な保存環境は、正確な現状把握から」をモットーに、まず丁寧な現状把握、お客様の要望等のヒアリングから業務をスタートします。

他に類を見ない、国指定文化財収蔵庫の調査・設計実績を有しています。

効果の不確かな新技術の導入や安易な現場実証が難しい「文化財保存環境」という超保守的な事業領域においては、確かな実績と経験がまず大きな説得力を持ち得ます。私たちは、国宝及び重要文化財を保存公開する収蔵庫や、文化庁公開承認施設に準ずる博物館施設の保存公開環境整備に係る設計を25年以上にわたり手がけてきました。調査・設計を行った施設は50を超え、各種実績や経験を背景にした専門ノウハウと知見、設計技術については、文化財行政や保存科学分野の関係者をはじめ幅広い方々から、揺るぎない信頼を確立しています。

豊富な基礎データと最新の文化財保存科学にもとづく最適な環境を提案します。

最適な保存環境は普遍的なものと思われるかもしれませんが、防火・防犯や温湿度環境という基本性能に加え、文化財IPM、有機酸アンモニア対策、SDGsによる持続可能性の担保など、社会背景の変化や保存科学の進展と共に収蔵庫に求められる性能も多面化、高度化してきた歴史があります。丹青研究所では文化庁事業の実施会社として多年にわたる基礎調査業務を行い、管理者の文化財防災の手引きや指定文化財収蔵庫の新しい整備指針※の策定など、最新の基礎データや保存科学の知見を基に、文化財保存環境を新たに再構築する業務に携わってきました。データと経験に裏打ちされた、最適な保存環境や運用指針をご提案します。

※「文化財保存文化財(美術工芸品)保存施設、保存活用施設 設置・管理ハンドブック/平成27年3月/文化庁文化財部美術学芸課」文化庁HPにて公開

「守ること」と「魅せる(公開する)こと」の最適バランスを目指します。

文化財の最適な保存環境は、それを維持するだけでも非常に手間と費用がかかります。文化財を持続可能な形で未来へ継承していくためには、蔵の中に閉じ込めて守るだけでなく、適切に公開することによって、その文化財が「手間と費用をかけても守るべき素晴らしい価値がある」ということを共有していくことが重要です。私たちは、最適な環境で守ることと同時に、その価値をより魅力的に伝える公開のありかたを検討します。これは必ずしも一つの正解があるものではありませんが、展示のエキスパートであるグループ会社の(株)丹青社とともに、文化財の特性や施設の運用形態に応じた保存と公開の、最適バランスでの両立を目指します。